医学部受験について➂ 総論2-2;受験大学選び
こんにちは、パディントンです!
前回に引き続き受験についてつらつら書き連ねていきたいと思います。今回は受験する大学をどのように決めるか、です。
受験する大学を本格的に受験勉強を始める前に考えておくことは非常に大切です。その理由として、私は目標を定めるということそのものに意義があると考えています。最初に明確な目標を立てることは、今後的確な戦略を生み出すことにつながります。戦略論の基本です。
受験大学の決め方はもちろん人それぞれなので、私の経験ばかり書いても仕方ありません。私も周りにいる同期や後輩、そして医学部に進学した高校同級生にどうやって受験大学を決めたかを聞いてみました。
地方国立VS大都市国公立
やっぱり多かったのは大学の難易度的に行ける確率が高いところを選んだ人です。誤解を恐れずに言ってしまうと、地方国公立より大都市にある国公立(東大、阪大、医科歯科)の方が偏差値が高い傾向にあります(偏差値が高ければいい大学とは限らないのですが)。地方国公立は数が多く、自分の得意不得意にあった配点や出題傾向の大学を選択しやすいという利点があります。
前回に引き続き、和田先生の受験対策本を紹介します。国公立医学部の配点について載っており、国公立医学部を比較するのに便利です。
しかしながら、ついこの間まで東京で親元にいた人が、まったく友達がおらず、そして、全く土地勘のない地方に1人だけで暮らし始めるのは最初はストレスフルなことに違いはないでしょう。帰省に金と時間がかかるとすぐ実家に帰ることができず、なにかと不便そうでもあります(どうせみんないつか似た経験をするのですが)逆に大都市周辺だと、遊ぶところも多く色々学生団体の交流とかもできますし、地の利はあります。ただ都内とかだと科によっては医者は余り気味の傾向もあるので地方の方が給料が高いなんてこともあるかと思います。
医学部受験雑誌には、旧医専とかのランク分けがされていますが、正直大学に入ってその言葉を聞いたことが皆無なのであまり皆それは気にしてないのかと思います。
自分の生まれ育った地域でそのままその地域の医大に行くことを考えている人は地域枠なども考えてみてはいかがでしょうか。将来に制約が加わりますので強くはおすすめしませんが、一般入試より若干入りやすい場合があります。
私立VS国公立
私立医学部の最大の懸案事項は学費です。学費が安い大学といえば、国際福祉大学、慶應、順天、慈恵、昭和辺りでしょう。学歴厨などは私立国立でなんやかんや言ってますが、多くの医者は出身大学を気にしませんーよっぽど馬鹿なことをしなければ。
私立は独特な出題傾向を持つ大学が多いです。私立専願の方は国公立併願と比べて私立対策に時間をかけられますので、傾向を知っておくことに越したことはありません。
学習環境
なかには、研究に力を入れている大学(東北大学)に行きたかったというはっきりした目的意識を持った方もいました。その方は今バリバリ研究していて尊敬してますね。
大学に入って重要だと痛感したのは、進級のしやすさですね。
進級が厳しいところはそれだけでストレスフルです。進級を厳しくするだけではなく卒業試験も厳しくして国試合格率の合格率をかさ増ししようとするクソ大学もあるらしいっす。
もちろん、万人にとってどこの大学が一番良いのかの正解はありません。でもあなたはどこを受けるのか、決断をしないといけません。よく考えて判断したら、いよいよ(3)(4)自分の現在の位置を知って、合格までの差を埋めるための計画作りの段階こうです。
次の記事でお会いしましょう!
医学部受験について➁ 総論2;受験対策のfirst step
こんにちは、パディントンです!
引き続き医学部受験のノウハウをお伝えしていきます。
大学入試問題はかなり公平な試験で、適切な方法で勉強すれば適切なアウトカムが得られるように作られています。つまり、医学部合格というアウトカムを得るためにはそれに向けて自分に合った勉強法確立し、それにのっとり勉強することが大事です。
医学部受験を決めた(=受験するその日までに到達するべきレベルが決まった)高校生がまずやらなくはいけない事は、
(1) まず、このブログを読む(笑)
(2)目標とする大学を大まかに選ぶ
(3)現時点の自分の苦手な分野、得意分野の分析
(4)そこから、どの分野を得点源にして、どの分野は苦手なりにしのぐ科目にするか
⇒現時点で英語より数学の方が得意だから数学では高得点を狙いに行こう、苦手な英語はなんとかしのげるレベルに克服しようなど
(5)そのためには何年生の何月までにはどの段階まで達しているべきなのか
⇒高校3年の7月までには英語長文を受験レベルにする、高1の7月までに受験に必要な単語をすべて覚えよう、この科目は塾や予備校で学習を進めよう、など
(5)(4)で決めた内容を達成するには具体的にどのような勉強をするべきなのか
⇒高1の7月までにこの単語帳を1日5ページやって終わらそう、塾の問題集を今月中に復習しよう、物理はとりあえず学校の授業で理解するだけにとどめよう、など
を決め、受験するその日までの大まかな数か月ごと/科目ごとの計画を逆算的に立てることです。
次にやらねばならないことは、もちろんそれを実行に移すことです。コツコツやりましょう。そして忘れてはならないのがその計画が現実的かどうか常に再検討することです。計画と実際では、うまくいったところとそうでないところの両方が出てくるでしょう。常にその計画を修正し、各科目ごとの勉強時間の配分などを調整しましょう。
このように、計画⇒実行⇒計画見直し⇒計画修正⇒実行…のサイクル(PDCAサイクルと言います)を受験までまわしていくことで効率の良い勉強法ができるようになります。
(1)このブログを読む(笑)
正直このブログではなくてもよいのですが…w
自分が高校生の時はスマホを持っていなかったので、和田秀樹先生の受験対策本を読み込んでいましたので紹介しておきます。和田先生は東大卒の精神科医なのですが受験の戦略について非常にお詳しい先生で、参考書の選び方、そしてセンスに頼らずパターン化して問題を解く方法などに非常に興味深いことが書いてあるのでおすすめです。 この、受験勉強について勉強する、ということなくして受験勉強に勝利することはできません。
少し古いのですが受験勉強のやり方はほぼ変わらないので大丈夫です!
和田先生が受験勉強のやり方本を書いたことがきっかけで色んな人が”受験本”を書いているので、実際に書店に行って読み比べてみるのもいいですね。
では、次の投稿で(2)から順々に説明していきますね。さようなら!
医学部受験について➀ 総論;受験は役に立った?
こんにちは、パディントンです。
これからは高校生とその親御さんにむけて医学部受験について自分が得たノウハウを書いていこうと思います。
まず、多くの人は受験は役にたたないものと考えがちですがこれは間違えです。医学部受験に限らず大学受験は今後の人生にかならず役に立つものです。英語、生物・化学など医学部での勉強に直接的に役立つものもありますが、確かに教養課程が終わってから微分積分を使ったことは無いですし、倫理や古文の知識を使ったことも数えるほどです。
しかしながら、私には一見必要でなさそうな科目たちも役立っていると言い切れる自信があります。➀論理力や➁思考力を鍛えることができる。
1、論理力を鍛えることができる
数学ははるか昔は論理学から発生したように、論理思考力を鍛えることができます。この論理思考力はデータを読むとき、論文を読むとき、そして書くときに絶対必要になるものです。この努力を怠ると相関関係と因果関係の違いが分からなくなってしまい、武漢には研究所がある⇒新型コロナウイルスは武漢で発生した可能性が高い⇒中国が人為的に起こした!みたいなトンデモ論に引っかかってしまうことになります。
2、思考力を鍛えることができる
倫理(大学では哲学)や世界史・日本史は単なる暗記科目ととらえがちですがこれらの科目は現実社会を考察する上で非常に重要という点では単なる暗記科目とバカにはにできません。自由や平等という考えかたは、哲学の中で非常に重要なパートを占めます。日本を含め世界には”自由に”商業できる国(=資本主義国家)が大半を占めているわけですが、平和な時代で資本主義が進めば進むほど貧富の格差は広まります。これを是とするか否とするかの答えは一つではないでしょう。自分なりの答えを出すのに倫理の知識は役に立ちます。
また、歴史は繰り返す、という言葉がある通り世界は同じトレンドを繰り返しています。日本だって明治維新から40年かけて列強の仲間入りをし、40年で敗戦に至り、40年で世界トップクラスの経済大国に成り上がり、そして現在は”失われた30年”と言われるとおり、下降トレンドのど真ん中、というわけです。歴史の知識は今までではなくこれからどうなっていくかも教えてくれるような気がしてなりません。
医師は、必ずしも答えが存在し得ない問題と向き合い、そして決断しないといけないことがあります。その時に先人達がどのように思考をめぐらし、どのような歴史を刻んできたのかを知ってことは必ず決断の一助になるに違いありません。
3、教養になる
これは前2つと比べると医者としての能力には関係しませんが、色々知識があると旅した時とかに楽しいですよ!中国人に春眠不覚暁と書くと驚かれる、なんてことは有名な話ですが、ふとした時に「ああ、こんなこと知っててよかったなぁ」みたいなことがあります。ちなみに、私の彼女は文学部なのですが、まだ付き合う前、彼女はちょうど授業で太平記について勉強したらしいんですけどその話題にうまく話を合わせることができた、なんてのも受験が役に立った点かもしれませんねえ(笑)
ここまでながながと書いたように、どんな科目も大学生になってから役に立ちます。なので、つらい・こんなの大学で役に立たないなどとは思わず、楽しんで受験勉強をしていきましょう!
では次から受験の計画について考えていきましょう。
医学生パディントンの自己紹介!
はじめまして!パディントンです。
コロナ騒ぎで病院実習もなくなってしまい、引きこもりながらぼちぼち国試対策をしている首都圏国公立医学部6年生です。これを機に医学部受験について、医学部での生活について、趣味でやっている海外放浪や読んだ本の紹介など、高校~今までの経験をまとめて皆さんにお伝えできたらな、と思って始めました。
パディントン、というのは去年イギリスに留学していた時私の着ていた服がたまたまパディントンと同じ感じの青いコートだったので3日くらいそのあだ名がついたのでこのブログ名にしました。
【wikiより】
教養があることで有名な出口治明先生の考えの丸パクリなのですが、色んな人と出会い、色んな本を読んで、色んな場所や国を旅して教育人になれるように日々研鑽の日々です。
医学以外も勉強してみたいことが多く、独学で様々な分野の勉強をしていますが(中国語やIT、経済など)やっぱり学校の成績とのトレードオフ関係になってしまうので悩みどころですね。
将来についてですが、自分はあんまり気が長くない方なので、目の前で命を救うことができる循環器内科か救急科に行こうかと考えております。疫学の論文を書いたこともあり、救急や内科とからめて公衆衛生や災害医療の研究をしてみたいとも考えています。(災害医療と関係があるのは外科だろうと思われがちですが、実は東日本大震災では内科疾患が多数発生しました)
しかしながら、最近はやりの働き方改革にも興味がないわけではなく…
このブログでは、医学部受験について、医学部での生活について、趣味でやっている海外放浪や読んだ本の紹介などもしていきたいと思います!医学部について興味を持っている方、医学部受験生とその親御さん、医学部で医学以外にどんなことをすれば将来役に立てられそうかなどしりたい医学生の皆さん、読んでってくださいね~
趣味;海外放浪、キャンプ、登山、カメラ、地図帳を眺める、読書、中国語
~行った国~
タイ/カンボジア/ラオス/マレーシア/シンガポール/中国(北京・上海・西安・西寧・嘉峪関・敦煌・ウルムチ・クチャ・カシュガル・成都・哈爾賓)/韓国/インド/ネパール/キルギス/ウズベキスタン/カザフスタン/ロシア(モスクワ・ウラジオストク)/イギリス(留学)
~おすすめの本~
医学書以外には哲学・経済・経営・歴史などいわゆる文系の本をよく読みます。
J・S・ミル 大学教育について
野中優郁次郎 失敗の本質
ロバート・E・パットナム われらの子ども
半藤一利 昭和史
辰巳出版 アジア旅行最強ナビ
などなど紹介していきたいと思います!